【未来童話】ヘビとミミズ
【ヘビとミミズ】
【ヘビとミミズ】
あるところに ヘビがいました。
このヘビは みずにぬれた きのかわの くさったいろを していて
もようも うろこひとつ おなじものが ない へんてこな ヘビでした。
ヘビが あるひ さんぽを していると じぶんよりも へんてこな いきものを みつけました。
それは じぶんより からだが ちいさく あるくのも おそくて ごはんをたべる くちも ちいさい いきものでした。
ヘビが そのいきものを みつけたのは そのいきものの もようが ヘビとそっくり だったからです。
ヘビは こえを かけてみましたが へんじはありません。
ちかくを とおった ネズミが みかねて ヘビに いいました。
「そいつ ミミズっていうんだ へんなものを くう へんなやつだよ」
「このこ ミミズくんって いうんだ」
「そうだよ こいつは いくらはなしかけても へんじ しないんだ」
「ともだちには なれないかな?」
「ああ むりだね」
そう ネズミはいうと こんやのごはんを さがしに どこかへ いって しまいました。
ミミズは ヘビのことなんて みえていないように うずうず うごいていました。
「きみは うろこがないね さむくはないの?」
ミミズは へんじを しませんでした。
「きみは どんなごはんを たべるの?」
ミミズは へんじを しませんでした。
ヘビは すこし かなしいかおをして こうききました。
「ねえ ぼく きみになにか きらわれることを したかな?」
ミミズは またしても へんじを しませんでした。
ミミズに はなしかける ヘビを トリが こえを かけました。
「ねえヘビくん ミミズくんに なにかようが あるの?」
「ううん はなしかけてるだけ
トリくんは どうしたの?」
「こどもの ごはんを とりにきたんだ
ミミズくんに ついてきてほしくて かりても いいかな?」
「ど どういうこと?」
「ミミズくんにしか できないことだよ
うちのいえに いてもらうんだ
それで こどもたちの せわを してもらうんだよ」
「それは ミミズくんが よろこぶこと?」
「よろこぶか どうかは しらない
きてくれたら たすかるから きてもらうんだ」
「それって よくないんじゃない?
ミミズくんに ほんとうにいいか きいたほうが いいよ!」
「じゃあ きいてごらんよ」
「ミミズくん トリくんのところ いきたい?」
ミミズくんは だまって あたまのさきを じめんに うめて ごはんを たべはじめました。
「なにも いわないね いいよって ことじゃない?」
「なにも いわないなら
ミミズくんは トリくんの おうちの てつだいは できないよ
ほら あっちへ いった いった」
「きみったら がんこだな
ヘビくんこそ ミミズくんの なんなのさ
なにものでも ないなら わたしが
ミミズくんに なにしたって かまわない だろ」
「かまうよ! ぼくは ミミズくんの ともだちに なりたいんだ!
ほら あっちへいって!」
ヘビは とびあがると じぶんの ながいからだを まきつけて しめあげました
「くるしい! くるしい!
わかったよ! あっちへ いくよ」
トリは はねをばたつかせて あわてて そらへ とびたちました。
ミミズは ヘビのことなんて みえていないように ごはんをたべて うずうず うごいていました。
「きみったら のんきな ものだね。
いま あぶなかったんだよ
ありがとうは いえないの?」
ミミズは へんじを しませんでした。
じっとみていた ヘビは したを ならしました。
「きみは なにもきかないし なにもいわないで いるね
でも にげだしもしない
それは どうして?」
ミミズは またもや へんじを しませんでした。
「ねえ きいてるの?」
ヘビは ミミズの いくてに かおを よこたえました。
ミミズは あたまを ツンツンして ヘビのあたまを つつきだしました。
「ぼくと おなじ へんなこが いるなあって おもってたけど
きみは ぼくと ちがって にんきもの なんだね
よくかんがえたら ぼくら みためが にてるだけで
できることは ぜんぜん ちがうんだ
ぼくは ちからは つよいし からだは おおきい けど
きみは まったく ぎゃくの からだだ
ふしぎだね」
ミミズは ヘビのあたまに からだをつけると ゆっくり あたまに のぼりだしました。
「みんな ぼくのこと こわいって いうんだ
でもきみは なにもいわないね
そばにいても いいって おもって くれるなら
ぼくら もう ともだちで いいよね?」
ミミズが ヘビのめの ちかくにきたとき ヘビは ゆっくり めを とじました。
のべるぶというディスコード内で行われた「童話や絵本になるものを投稿しようの会」で投稿したものです。
朗読になるように書きましたが、人と相談して複数人劇にしてもかまいません。
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